僕はこうやって文字を… by オスカー
こんにちは!LOKAL JAPANのWEB担当オスカーです!
久々にLOKAL COLUMNに投稿させて頂きます。
日本で勉強している/働いているみなさんに直接な関係がないようなテーマになりますが、
香港出身の僕はあるモノをシェアしたいと思います。
それが「入力方式」です!パソコンや携帯などで、文字をどんな方法で入力していますか?というテーマです。
世界中にこんなに色んな言語があるのに、みんなは共通のデバイスや装置を使っています。
だから入力方式が重要になっていますね。
入力方式
言語の構造やシステムによって、キーボードや携帯の画面にある限られたスペースの中にキーが配置され、
そして打ち方によって言葉が入力されます。これはまさにUXとUIの話ですね(笑)
日本語はだいたいパソコンの場合はローマ字で「発音」という形で入力をされる場合が多いと思います。
英語とラテン系以外の言語だと、共通のキーボードで入力するのに、言語によって工夫された色んな方式があります。
速成?
僕は英語の入力方式以外、日本語はもちろん、あとは僕が今回紹介したいもの―「速成」です。
ん?何それ?って思うかもしれません。
速成は中文※を入力する方式の一つで、言葉の発音ではなく、文字の形で入力するのです。
「倉頡」という入力方式の変わったバージョンです。
※皆さんの認識している中国語をここでは「中文」とさせていただきます。
速成のシステム
「日本語」⇦この言葉を皆さんはどう打ちますか?
「nihongo」を打って入力する方が多いと思います。
速成なら、「日本語」という字はこうやって入力します。
【日】A
【本】DM
【語】YR
え?全然わけがわからないじゃないか!
実は速成では、中文文字の書き順の「最初の部分」と「最後の部分」を合わせて2つのキー(キーの字だとキー1つ)によって入力します。
この速成のキーが入っているキーボードを見てください。
速成のキーは人間の「人」「手」「心」、五行の「金」「木」「水」「火」「土」、自然の「日」「月」など、
合計25個あり、このようにキーボードで配置されています。
ちなみにどのキーがどこにあるかは覚えるしかありません。
「日本語」という字は、まず「日」は一番簡単で、「日」キーのままでいいので、
位置的には「A」なので、Aを打って、スペースバーを押すと日が出てきます。
2番目のは似てますが、違う字ですね(古い文字で「言う」を意味する)。
次は「本」ですが、書く順として、先ず何を書きますか?そして25個のキーの中で、
最も似てるのはどれでしょう?
そうです!「木」です。
そして最後に書くのは「一」なので、DMを打って、スペースバーを押すと、
条件に合った字が9個以上出てきますね…
「本」が一番に来るのでありがたいです。
最後は「語」ですね。最初は部首「言」のほうを書きます。「言」のキーはないから、
ここではその書き順の最初部分から考えます。このように書くので、「卜」のキーにあてはまります。
「卜」を打って、最後に書くのは「口」なので、「口」キーを打ってスペースバーを押すと…
なくない?って思いますよね…
そうです。ここで、速成の弱点が明らかに分かりました。
キー2つで、条件に合う文字が多すぎます。
ここでは、キーの位置を覚えた次に覚えること―「結果ページ&番号」です。
何回もその文字のキーを打って、結果を探して選択していたら、何ページ目と番号まで覚えてしまいます。
探すときは、このページがなかったら、
もう一回スペースバーを押すと次のページにいけます。
使う頻度が多い文字なのに、「語」は意外と4ページにあります。
これで、「日本語」という言葉を入力できました。
こう見たら大変だねって思うかもしれません。
日本語方式と比べても仕方ないが、両方のキーボードを打つ回数を調べました。
日本語(ローマ字):
【n】【i】【h】【o】【n】【g】【o】【スペース】【エンター】=9回
速成:
【日】【スペース】【木】【一】【卜】【スペース】【スペース】【スペース】【3】=9回
なんと、一緒です(笑)
文字にもよりますので、遅い時も早い時もある入力方式です。
よく使う字は覚えているので早く打てます。
あまり使わない字は探すのにちょっと時間がかかります。
文字の分析
あとは打ちたい字の分析ですね。
「日本語」3つの字は結構簡単に考えられるので例にしましたが、
他に少し変わった「ルール」がいっぱいあります。
例えば【大阪】ですが、
【大】はキーのままなので「K」です。
【阪】のほうが難しくなります。
部首のほうは「阝」で、キーは「弓/N」になります。
最後に「又」という部分があって、キーは「水/E」になります。
全ての例を挙げると終わらないですが…
【東京】の【東】は「木」と「田」で、【京】は「卜」と「火」です。
【福岡】の【福】は「戈」と「田」で、【岡】は「月」と「山」です。
【長野】の【長】は「尸」と「女」で、【野】は「田」と「弓」です。
僕も全然意味わからなくなった時ありましたが、使い続けると慣れますので、
「阝」や「又」がある字を打ちたい時は合わせて入力すると割と簡単に理解できるようになります。
例えば【阻】【降】【階】とかは、「弓/N」キーが始まり、
【慢】【波】【支】とかは、「水/E」キーが終わりだと覚えておけばいいです。
速成はある意味で記憶に頼る入力方式です。
携帯の速成
今まで紹介していたのはパソコンの場合ですが、携帯の場合はどうでしょう?
携帯の場合、キーボードが完全に速成のキーだけ残っています。ページと番号ではなくて、一列で並んでいる感じになります。
結果の文字を探す時は、スライドするか、一覧を開きます。
文字がこう並んでいると、見にくい部分もあって、多少不便だと感じますが、
最近使ってた文字は前に来てくれるのでその分はカバーできますね。
最後に
普段は英語、中文と日本語を使うので、入力方式変換をよくしています。
3つの打ち方はもちろん違うが、その文字の考え方も違いますので、脳トレーニングにはなると思います。
全ての日本語の漢字が入力できるわけではありませんが、
日本の方はよかったら、速成を設定して、漢字を入力してみませんか?
きっと考え方が違うので面白いと思います。
ちなみに上に言っていた倉頡の方式は、文字の書き順を最初から最後の部分までキーを全部打つことによって入力します。
速成より結果を探す時間はほぼないらしいが、僕は最初速成のほうを学んだから倉頡は全然できません…
「速成」、名前のとおり速いですが、弱点が色々ありますので、速くなるまでは時間がかかります。
以上、僕のよく使う機能で、日本にはない、ちょっとした文化の差異でした。
興味がある方はこちらのクイズを!
「いかがですか?」の漢字「如何」は、どのキーを打って入力しますか?
ありがとうございました。
次回のLOKAL COLUMNで他のテーマを紹介したいと思います!
答え→ 如:女(V)口(R) / 何:人(O)口(R)