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COLUMN

ロコールキャラバン2025レポート ~幸せのブータン編~ 4話~

2025年10月1日

7/29 火曜日
この日もモリモリとキャラバン一行はインプットの旅に。
もうすでにインプットしきれていないくらいの情報量です。
ロコールキャラバン、恐るべし企画ツアー!
ただ、さすが隊員の皆さん毎日徐々に順応していきます。
また、ブータンのことも少しずつ理解しだしていたりするので、
初日より皆さん少し余裕が出てきたように感じます。

 

・国内最大の病院、JDWNR(Jigme Dorji Wangchuck National Referral Hospital/
ジグミ・ドルジ・ワンチュック国立病院)。
第3代国王を記念して建立された病院です。
聞くところによると、総合病院として機能しているのはここだけ。
地方に行くと規模は小さくなり、医療機器も制限されます。

内部撮影はできませんでした。院内感染のリスクも想定される環境に見えました。
そもそも病院に行く段階では、急性期か終末期か…といった話もされていました。
ブータンには伝統医療もありますが、近頃は西洋医学の方に舵を切っています。


・メモリアルチョルテン(第3代国王記念仏塔)



歩いていると、日本人とわかるだけで人懐っこく話しかけてこられます。
先人・西岡京治氏の偉業に感謝です。

・ダクツォ(Draktsho)障がい者の職業訓練センター
創設者のジグミ・ウォンモ(Jigme Wangmo)さんと娘のデキ(Deki)さん、そしてスタッフの方にお話を伺いました。
この施設は2001年に設立され、内務文化省の下にあり、保健省・教育省・労働人材省とも連携しています。
ここでは、ブータン各地から集まった知的障がいのある生徒さんを中心に、自立支援を目的として伝統絵画、彫刻、縫製などを学んでいます。
今回は、設立の趣旨やブータンにおける職業支援施設の現状についてレクチャーを受け、日本での取組みや今後の目標についても共有し、双方での連携を模索しました。



色々な制作された雑貨も購入できます

・ブータン・ストローク・ファンデーション
創設者のダワ・ツェリン(Dawa Tshering)さんから、
脳卒中経験者への支援についてお話を伺いました。
ご家族が患者になった際、当時のブータンでは「死を覚悟しなければならない」ほど
厳しい環境だったそうです。
そのご経験から、リハビリテーションや社会復帰を支えるための取り組みを、
このファンデーションで行っていらっしゃいます。
先駆者としての立ち上げの経緯から現在の活動状況までを伺い、
日本の現状についても意見交換をすることができました。


リハビリテーションを行う部屋。


1階では就労支援も行われています。

 

その後、毎年行われる法要「GKO Tshogkhor(GKO ツォコール)」の会場で昼食。
ここには脳卒中を経験された高僧もいらっしゃると伺いました。
私たちもバターランプを供物として捧げ、参拝。
さらに日本から持参したお菓子もお供えしました。
かなりローカルな祭典に参加させていただき、
いかなる宗教でも受け入れる門戸の広さを実感しました。

ロトっぽい景品も並んでいます。ロードバイクが人気のようです。


最高僧に謁見。


広報担当のお坊さんが、キャラバンの様子をずっと撮影しておられました。
まだまだ珍しい存在のようです。

 

お供えの花は切り花ではなく鉢植え。殺生を避ける経典の教えが形になっています。

 



地域総動員で準備します。この祭りを2週間(?)絶やさず行われ、老若男女問わず
奉仕しています。
まさか自分たちでシルクプリントをし、縫製して幡(はた)を制作しているとは!




現地のローカルな食事を頂いた後、次の場所へ向かいます。
とても美味しく幸せに包まれたような食事でした。

・セルワ(Selwa)障がい者支援団体
スタッフのツェワン・ウォンモ(Tsewang Wangmo)さんにお話を伺い、
寄付金を贈呈しました。


行く先々で、バター茶とビスケットがふるまわれます。


折り紙を渡したりと、それぞれが交流していました。


王妃直轄の施設で、多くの働く女性の社会進出や支援を行っています。

 

その後、
・元保健大臣のデチェン・ウォンモ(Dechen Wangmo)さんより、
新しく創設された事務局「The PEMA」にて、
メンタルヘルスについてのお話を伺いました。

元保健大臣 デチェン・ウォンモ(Dechen Wangmo)さん。
コロナ禍という大変な時期に、国の健康管理と運営にご尽力されました。


地方に住む親御さんに手編み機と毛糸を渡し、帽子を編んでもらうことで
その作品を買い取り支援につなげています。


・夕食は、在住者の中嶋さん、そして実業家で Druk Sell 代表の Sonam Chopel(ソナム・チョペル)さんからお話を伺いました。

 

ブータンは今、大きな変革の時を迎えています。
その中核となる国家プロジェクトが
Gelephu Mindfulness City (GMC)
というもの。このプロジェクトは、マインドフルな事業構想を持つ世界中の研究者や投資家が集まり、段階的に特別特区を建設していく取り組みです。
現在は南ブータンのゲレプ(Gelephu)という地域で、シンガポール国際空港クラスの大型国際空港の建設も進行中で、2030年頃の竣工を目指しています。

特別特区では、単なる投資目的ではなく、持続可能な開発と宗教観に基づいた「幸福感」が重視されています。チョペル氏もこの方向性に強い関心を寄せており、今後の展開を注視しながら積極的に行動していくとのことで、その翌日には次の国へ広報活動に向かわれるとおっしゃっていました。

 

第5話(最終回)に続く

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